RPA製品の利用状況とリプレース・追加の意向について聞いた。
業務自動化の現在地を探るために、キーマンズネットはアンケート調査「業務自動化に関する意識調査2023年」を実施した(期間:2023年7月20日〜8月31日、有効回答数:606件)。本連載は、全8回にわたってアンケート調査から得られた結果を紹介する。
第8回となる本稿のテーマはRPA(Robitic Process Automation)ツールの「リプレース・追加」だ。その状況と理由を聞いた。
まず、RPAの利用状況を探るために導入しているツールの数を聞いた。今回はベンダーごとにカウントしているので、同じベンダーの製品のデスクトップ型ツールとサーバ型ツールを導入しているという場合は複数に含まれない。
回答者で最も多かったのは「1」で55.8%。一方、「2」は28.8%、「3」は9.8%、「4」は1.8%、「5以上」と答えた回答者は3.9%で、44.2%は2つ以上の製品を導入していることが分かる(図1)。
RPAは、どの製品も基本的にロボットの開発や実行の機能を備える。一方で、管理機能やサポート、UI操作以外の自動化技術との連携性、UI/UX、ライセンス料などで各社強みを発揮している。製品を選ぶ際には、自社のやりたいことが何かを明確化し、開発・運用体制などを考慮しながら、ニーズにマッチするツールを選定することが理想だが、運用をするうちに製品のリプレース、追加を検討する企業もあるようだ。一体なぜだろうか。
関連して、ツールの「リプレース・追加」を検討したことがあるかどうかを聞いた。「検討したこともする予定もない」とした企業が最も多く、46.3%だった(図2)。
一方、「既にしたことがあるが、さらなる追加・リプレースは検討していない」(14.8%)、「既にしたことがあり、さらなる追加、リプレースを検討している」(8.4%)、「はじめての追加やリプレースを検討中」(3.2%)を合わせて、26.4%がリプレースや追加を実施した経験があるか、または検討していることが分かった(図2)。
また、「ツールがあれば追加、リプレースを検討したい」とした企業は28.1%で、経験済み、検討中の企業と合わせると54.5%がツールの追加・リプレースの意識があるということになる(図2)。
その理由は何だろうか。以下で、フリーコメントで寄せられた回答の一部を紹介する。
<操作性>
<サポート>
<コスト>
<社内の事情>
操作性や使い勝手、サポート体制についての不満の他、社内スケールに伴ってコストや機能が要件に満たなくなったという声も聞かれた。RPAは短期的に効果を見込めるツールだが、導入後の社内展開を見込んでいるのならば、ロボットが増えた後も対応できる管理機能や、RPA以外の技術連携のしやすさといった点を考慮すべきだと言われている。また、サポート体制についても、ベンダーによって値段設定やプロバーの従業員が対応しているかどうかなどの違いがあるため、導入前にチェックしておきたい。
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