BIツール(Business Intelligenceツール)は、企業が持つ大量のデータから必要な情報を取り出し、分析や可視化を行えるツールだ。
似た概念としてBA(ビジネスアナリティクス)やOLAP(Online Analytical Processing)といったものもある。
BAはデータを活用して自社のビジネスについて分析することだ。OLAPは大規模なデータをさまざな視点から集計・分析し、結果を出力することを指し、BIの一手法に位置付けられる。
BIツールの主な機能は以下の4つだ。
以下はキーマンズネットで掲載している、BIツールの関連記事だ。サービスの導入、運用にぜひ役立ててほしい。
BIツールと従来のデータ分析ツールの違いは“使いやすさ”と“リアルタイム性”だ。
BIツールは、直感的なユーザーインタフェースやドラッグ&ドロップの操作でデータ分析が行えるため、非エンジニアでも利用できる。一方、従来のデータ分析ツールは、プログラミングやSQLの知識が必要な場合がある。
特に「セルフサービスBI」と呼ばれるツールでは、従来はエンジニアやIT部門に依頼する必要があったような分析を、ユーザーが自ら実行し必要な情報を取得できる。
また、従来のデータ分析ツールでは、データの取得や読み込み、集計などを都度行う必要があったが、BIツールにデータベースを接続すれば、データをリアルタイムに分析・可視化できる。データ分析にかかる工数を削減できることもBIツール導入の利点と言える。
BIツールの導入の目的は企業によって異なる。
営業部門では、顧客データや売上データを分析して、売上を伸ばすための施策を策定できる。マーケティング部門では、広告の効果や顧客の傾向を分析して、マーケティング戦略の改善に役立つだろう。経営陣は収益やコストなどの経営指標を分析して、戦略の立案や意思決定のサポートに利用できる。
BIツールを選ぶ際には、以下のポイントに注意することが重要だ。
また、BIツールを導入する際は、運用に必要な体制を整えることも大切だ。導入前はデータの整理やクレンジングを行い、スムーズに可視化・分析に進める状態にしておく必要がある。
従来のデータ分析ツールよりも簡単に使えると言っても、初めて利用するユーザーは戸惑うだろう。導入の際はユーザーの教育やトレーニングの必要性も考慮したい。
さらに、導入後は企業の状況に合わせてダッシュボードの改修も必要になる。導入後の運用や保守体制についても検討が必要だ
主なBIツールとしては、Tableau、Power BI、Qlik Sense、MotionBoard、Lookerなどがある。それぞれのツールの特徴や機能を比較し、自社のニーズに合ったツールを選ぶことが大切だ。
製品名 | ベンダー名 | 特徴 |
---|---|---|
Tableau | Salesforce | 米スタンフォード大学のデータベースのデータ視覚化研究をルーツに持つ。直感的な操作性と豊富な可視化オプションが特徴であり、データの把握や分析が容易に行える |
Power BI | Microsoft | Microsoftが提供する他のクラウドサービスとの親和性が強み。「Microsoft 365」上の「Excel」「Access」などのファイルや「Azure」との連携も容易。もちろん他のセルフサービスBIツール同様、各種リレーショナルデータベースやクラウドサービス、Webサービスとの連携も可能 |
Qlik Sense | Qlik | 直感的な操作が特徴のBIツール。自由度の高い可視化オプションが魅力であり、ユーザーがデータを自ら探索・分析できる |
Looker | Googleが提供するBIツール。同社が提供する「Google アナリティクス 4」や「Google Search Console」「Google スプレッドシート」、データウェアハウス(DWH)の「BigQuery」などとの親和性が特徴。「Looker Studio」は無料で利用できる | |
MotionBoard | ウイングアーク1st | 国産のBIツールで、業界特有のニーズにも対応することが特徴 |
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