メディア

「SCM」とは 導入の目的、メリットを解説

「SCM」に関する最新情報を紹介します。IT担当者やITを活用したいビジネス/バックオフィス部門の担当者に、役立つ製品・サービス情報や導入事例、業界動向を集めました。

「SCM」とは

 SCM(Supply Chain Management:サプライチェーン管理)とは、商品を供給する業者から最終消費者までの業界の流れを見直し、プロセス全体の効率化と最適化を実現する取り組みを指す。SCMシステムを導入すれば、在庫管理や輸送管理、注文管理、需要予測などを効率化できる。

 以下はキーマンズネットで掲載している、SCMの関連記事だ。サービスの導入、運用にぜひ役立ててほしい。

SCMの問題と対応策「S&OP」

 過去、サプライチェーン管理(SCM)はプロセス実行系の運用効率向上を目指して導入されてきたが、現在はさらに発展して将来の事業運営上のリスクを判断する材料として活用しようという動きが活発だ。そこには、従来のSCMの手法が、確かに運用の効率化や在庫圧縮に一定の効果はあったものの、最終的な収益にどのように貢献しているのかが見えにくかったという反省もある。

SCMの問題は

 「従来のSCMの手法は確かに運用の効率化や在庫圧縮に一定の効果はあったものの、最終的な収益にどのように貢献しているのかが見えにくかった」という問題に、いま最も頭を悩ませているのは、本社経営企画や財務・経理部門だ。

 例えば経営会議があったとして、各事業部門の予実を報告した際、「数字が合わない」「財務リスクが見えない」ことが最も深刻な課題となっているのは、期末になるたびに「なぜ数字が見込みから乖離(かいり)するのか」といった問い合わせを受けて困惑する財務経理部門だ。

 事業部門の中にいない財務経理部門にとって、SCMのモノの数の世界はブラックボックスになりやすく、すぐには要因を分析できない。製造部門や販売部門の担当者は部門のリスクヘッジのために在庫や販売見込みを多く見積もりやすく、それぞれの部門が正確でない数字を申告していれば、当然、実績が確定した段階で、計画との乖離が発覚することになる。

 これは、最終的に中長期的な経営計画に影響を与えるインパクトの大きな問題なのだが、実は製造、販売、在庫の各管理部門の責任範囲ではないため、当事者意識を作りにくい。また、問題の可視化には比較的短期間の数量調整をスコープとしてきたSCMだけでは対応が難しく、SCMに何らかの方法で原価などの金額情報を掛け合わせて見ていく必要がある。

対応策としてのS&OP

 こうした会議で、ギャップに対する打ち手の検討を行う際は、既存のPSI(製造、販売、在庫)管理システムをベースにExcelなどで金額情報を組み合わせて見ていくことでも簡易な検討は可能だ。しかし、専用のツールやERPパッケージのS&OP機能モジュールを利用すれば、より効率よく検討できる。SCMの情報を深くドリルダウンして要因分析を行いたい場合はPSI系のシステムと連携できるものを選択したいところだ。

 一方で、とにかくおおまかな実績情報から複数シナリオを生成してリスク判断に役立てたい、というニーズが強いようであれば、単独のS&OP向けソリューションのうち、計画シナリオのシミュレーションを強みとする製品の導入を検討するとよいだろう。

導入推進の方法や導入成果

 S&OPプロセスの導入は単純にシステムを導入するだけで済むものではないため、一気に全社導入を推進するのではなく、最少の単位でパイロットプロジェクトを立て、プロセス運営の妥当性を検証していく方法が適している。とはいえPSIの責任者らからすると、課題が露見したり、それぞれの部門で読んでいる「バッファー」を明るみに出すことになりかねないこともあり、「あまり変化を望んでいない」可能性がある。

 笑い話のようなアドバイスだが、財務経理担当者や経営層が主導して導入を進める場合、導入を提案するのに適した時期は「5月」「11月」だという説がある。というのも、決算に向けて予算と実績の乖離などの問題が明らかになり、「最後の追い込み」として各担当者が叱咤(しった)激励される期末の直後であれば、どの部門の担当者も「もうあんな思い(追い込みの叱咤激励)を経験したくない」という気持ちが高まっているため、比較的協力を得やすいタイミングなのだという。

 一方で、会議と会議の準備に時間と労力が掛かるようになったという課題が挙がっているが、これらはITによって解消できるものも少なくない。

 前述の通り、SCMをベースに「ヒト」「モノ」と「カネ」をつなぐプロセスであるS&OPは、Excelのような手持ちの道具でも始めることができる。しかし、それには自社の業務を把握し、課題を整理し、プロセスを自社に適した形に落とし込む必要がある。業種業界、あるいは商流によっても具体的な適用方法は個別に分析していく必要があるため、実績のある導入コンサルティング企業を介して、テンプレートを利用するなどの方法も検討した方がよいだろう。