「Slack」とは、Slack Technologiesが開発したチャットツールだ。2021年7月にSalesforce.comに買収され、以降は同社が運営会社となる。Slackによってチャットベースのリアルタイムなコミュニケーションが可能になり、外部ツールとの連携機能なども持つ。開発エンジニアが開発現場で利用するコミュニケーションツールとして利用が広まった(続きはページの末尾へ)。
Slackには単なるコミュニケーションツールに留まらずさまざまな機能が実装されている。ここではその一部を紹介する。
Slackのチャット機能はプロジェクトやトピック、チーム別に会話を整理するための「チャンネル」と、個別にメンバーとプライベートな会話ができる「ダイレクトメッセージ」に分けられる。チャンネルを活用することで会話が整理されて後で見返しやすくなる一方、ダイレクトメッセージは特定の情報を一対一で共有する場合に便利だ。
また、「ハドルミーティング」と呼ばれるビデオ通話機能も利用できる。
チームメンバーと各種ファイルをに共有できる。「Google ドライブ」や「Box」などのクラウドサービスと連携させることも可能だ。
ファイル共有サービスに加えて、タスク管理ツールやカレンダーツール、ワークフローツールなどさまざまなサービスと連携して業務効率化を図れる。
「ワークフロービルダー」と呼ばれる機能で、定型のアクションやコミュニケーションを自動化できる。工夫次第で問い合わせフォームや勤怠管理なども可能だ。
「Slack AI」と呼ばれる機能で、特定のチャンネルやダイレクトメッセージの会話を要約したり、Slack内の情報について自然言語で質問したりできる。
Slackは、もともと開発エンジニア御用達のチャットツールと言われていた。その大きな理由は、ソフトウェア開発やシステム運用管理で利用するツール類と容易に連携できる点にある。コマンド操作に慣れたエンジニアであれば簡単に使いこなせ、「GitHub」などのさまざまなサービスとも連携が可能だ。また、開発プロジェクトのメンバーが追加、修正などソースコードを改変した場合、Slackから通知が届くように設定することも可能だ。ソースコードのダウンロードや保存もSlackの画面から操作できる。
開発現場から利用が広まったSlackは、今ではビジネスチャットとしてビジネスユースで利用されることも増えてきた。Slackの利用プランには、無料で使える「フリー」と、有償版の「プロ」「ビジネスプラス」と、そして大規模組織向けの「Enterprise Grid」がある。
テキストチャットなど基本的な機能が利用可能だ。ただし、Slackのハドルミーティング機能が1対1のみであったり、他のアプリケーションとの連携機能が10個までに限られたりするなどの制限がある。
このプランから他のアプリケーションとの連携数が無制限になる。その他「Slackコネクト」による外部ユーザーとの連携やGoogle経由のOAuth認証が可能になる。
「プロ」の機能に加えて、SAMLベースのシングルサインオン(SSO)や全てのメッセージのデータエクスポートなどが可能になる。
大規模組織向けのEnterprise Gridは、セキュリティやコンプライアンス関連機能が充実している。組織におけるデータの使用状況やモバイル端末のアクセス状況の把握と管理も容易になる。
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