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「ナレッジマネジメント」の事例、比較、解説記事を総まとめ

「ナレッジマネジメント」に関する最新情報を紹介します。IT担当者やITを活用したいビジネス/バックオフィス部門の担当者に、役立つ製品・サービス情報や導入事例、業界動向を集めました。

「ナレッジマネジメント」とは

 個人が持つ知識やスキル、ノウハウなどを組織全体で活用するために共有する手法。ナレッジベースや文書管理システム、グループウェアなどによって実現される。

※本ページの末尾で製品選定ポイントや主要製品一覧も紹介しています。

ナレッジマネジメントツールの種類、選定ポイント、主要製品一覧

さまざまな形のナレッジマネジメントツール

 以下のように、ナレッジマネジメントを実現するためのITツールにはさまざまな種類がある。自社の状況に合わせて導入を検討してほしい。

ナレッジベース、FAQシステムなど

 従業員が保有している知識をシステムに登録し、データベース化することによって、他の従業員が参照したり、再利用したりできるようにするシステム。かつてナレッジマネジメントが大きく取り沙汰されたときには、このタイプのITツールが数多く登場し、また現在でも広く活用されている。業務や製品に関するFAQなど、ある特定のジャンルに関する情報を整理し、公開する目的で使われることが多い。

文書管理システム

 グループのメンバー間で同じドキュメントを共有しながら業務を進めていく場合、文書ファイルのアクセス権限やバージョン、更新履歴をきちんと管理する必要がある。そのために使われるのが文書管理システムだ。古くからあるソリューションで、ナレッジマネジメントや情報共有の目的以外にもペーパーレスや情報漏えい対策、コンプライアンス対応などの目的で広く使われている。

グループウェア

 情報共有の文脈で最も広く使われており、また確実に成果を挙げているのが「Microsoft 365」や「Google Workspace」といったグループウェアだろう。多くの企業が全社レベルのグループウェアを導入しており、スケジューラーや社内ポータルサイト、掲示板といった機能を通じて情報を共有する。

エンタープライズサーチ、検索アプライアンス

 社内のナレッジが複数のシステムに分散してしまい、いざ必要になったときになかなか見つけられないという問題も起きるだろう。そこで使われ始めたサービスが、社内のさまざまなシステムやファイルサーバ、データベースに散在している情報を横断的に検索できるエンタープライズサーチだ。

 バラバラに存在するデータを1カ所に集めたり、正規化したりする必要がなく、そのままの形で再利用できる。

社内SNS

 企業内のコミュニケーションや情報共有にSNSを使用するケースもあり、主だったグループウェア製品がこぞってSNS機能を取り入れている。

 こうしたツールは元来、知識の蓄積や再利用は前提としない「揮発性」のメディアであるため、ナレッジマネジメントのような目的で利用する際には発信された情報の中からいかに価値の高いものを抽出し、それをデータベース化するかが課題になるだろう。

 この他にもさまざまなジャンルのITツールがナレッジマネジメントや情報共有の名の下に利用されているが、あまりに多くのツールをバラバラに導入してきた結果、それぞれの本来の目的が今となってはあやふやになっている企業も少なくない。

 企業における情報共有・ナレッジ継承の取り組みは、ITツールを導入したからといってすぐ実現するわけではない。「経営課題としての情報共有・ナレッジ継承」という問題意識を忘れることなく、自社の具体的な課題や戦略に即した製品を選定・導入するべきだろう。

ナレッジマネジメントツールの選定ポイント

 企業でナレッジマネジメントツールを導入する際は以下の点に留意してほしい。

分散か、集約か

 情報共有やナレッジ継承のためのさまざまなITツールが社内に乱立しているケースも多い。当然、情報もそれぞれの中でバラバラに管理されているため、ユーザーは複数のツールを目的に応じてうまく使い分けないと、お目当てのナレッジを入手できない。情報への入口が多数存在しているため、どこから入れば(どのツールやシステムを使えば)欲しい情報が手に入るのか、なかなか分からないのだ。

 この課題を解決するためのアプローチには、大きく分けて2つがある。1つは、バラバラに乱立しているITツールを、1つのプラットフォーム上に集約するやり方だ。「Notion」のようにノートやドキュメント、Wiki、プロジェクト管理、データベースなど多彩な機能を備えたサービスを利用すれば、「1つのツールに全ての情報がまとまっている状況」を作れるだろう。

 一方、ツールがバラバラに存在した状態のままで、情報共有の促進を図るソリューションも存在する。例えば「QuickSolution」のようなエンタープライズサーチ製品を利用すれば、さまざまなシステムに散在している情報を横断検索できる。システムの実態は分散していても情報への入口を一本化することで、社内に眠っているナレッジへのアクセスを容易にし情報共有を促進するのが狙いだ。

各部門のニーズに応えられるか

 大企業の多くは、全社的な情報共有の仕組みとは別に、部署ごとに独自の仕組みや業務フローを回していることも多い。例えば営業日報1つとっても、ある部署ではExcelファイルを課長にメール添付で提出している一方で、隣の課では「Salesforce」を使っていたり、また別の部署ではいまだに紙の報告書が使われていたりといった具合だ。

 こうしたバラバラな運用を、ITツール導入を機に一気に統一してしまうのも手だが、それによって現場の業務に混乱を来たしてしまっては元も子もない。そこで、全社レベルの仕組みを構築しつつ、帳票やデータの形式を組織ごとに個別にカスタマイズできると、既に独自の業務プロセスを回している現場でも利用しやすいだろう。

主要製品一覧

製品名 ベンダー名 特徴
Confluence Atlassian 社内向けWikiを作成できるサービス。豊富な機能が特徴。Atlassianの他製品やSlackなどとの連携も可能
SharePoint Microsoft 「Microsoft 365」の中で利用できるコラボレーションツール。社内向けWebサイトやクラウドストレージなどの機能を持つ。Microsoft 365内での連携が特徴
Notion Notion Labs 社内向けWikiやドキュメント管理が可能なツール。コンシューマー向けのイメージが強いが、エンタープライズ向けプランも用意されている
NotePM プロジェクト・モード 社内向けWikiやポータルサイト、マニュアルの作成などが可能な国産ナレッジマネジメントツール
Qast any 業務上の困りごとを匿名で質問する機能など、独自の要素を盛り込むナレッジマネジメントツール
QuickSolution 住友電工情報システム クラウド/オンプレミスを問わず社内のさまざまなシステムに保存された情報を横断検索できるツール
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